CAD SOLUTIONS FORUM 2016 開催レポート

2016年11月16日に名古屋会場(TimeOffice名駅)、11月18日に東京会場(大手町ファーストスクエア)、11月22日(グランフロント大阪)にて、「ものづくりは2次元で強くなる」をテーマに「CAD SOLUTIONS FORUM 2016」を開催いたしました。 多くのお客様にご参加いただきありがとうございました。

テーマ

CAD SOLUTIONS FORUM 2016のテーマは、「ものづくりは2次元で強くなる」。 日本のものづくりの基盤となる重要な構成要素は、図面です。図面があるからこそ、非常に精巧な製品を多種多様に、そして短納期で生産できます。図面そのものだけでなく、その周辺のシステムを含め、最適の形を追い求め続けることで、生産効率は上がっていきます。今回のフォーラムでは、より競争力を持つものづくりとするために、下記のお客様から適材適所のCADの利用やPLMとしての工夫をご紹介いただきました。 これまでのMICRO CADAMの新機能ご紹介を中心としたセミナーから大きく変貌した今回のFORUMは各会場とも満員のお客様をお迎えし、事例を通じて「設計とは何か」やCADを利用した最先端の情報について知識を深めていただける場をご提供することができました。今後ともより一層ものづくりの強靭な基盤を提供するとともに、各種のサービスや情報を提供してまいります。

FORUMオープニングイメージ

各セッションの概要

基調講演

愛知工科大学 電子制御・ロボット工学科准教授 田宮 直様

「設計の基本は製図から」~エンジニア育成現場の現状

愛知工科大学様は2000年に設立された「自立と夢の実現」を果たすものづくりのエンジニア育成に力をいれておられるユニークな大学です。2D、3Dの各種CADを自由に使える環境を備えながらも、手書き図面を設計の基本ととらえ、あえて図面を描く事から学生を指導されています。いきなり3D CADで設計に着手しようとする最近の学生の風潮に危機感を抱き、設計の基礎から学生の育成に取り組むべき、という考えがそのような指導方針の根底にあり、その取り組みの結実の1つとして、世界的なローバーの自立走行距離を競う技術競技大会(「ARLISS(A Rocket Launch for International Student Satellites)」)でも近年高い成果を上げるに至っているとのことです。地に足を付けた基礎から取り組む愛知工科大学様の教育方針に多くの参加者が共感する内容となりました。

愛知工科大学様:講演イメージ

事例紹介「多種多様な短納期設計に対応するためのCAD業務効率化」(大阪・名古屋会場)
事例紹介「マルチCAD形式に対応した図面・文書承認システムの活用」(東京会場)

川崎重工業株式会社 精密機械カンパニー ロボットビジネスセンター
技術総括部技術企画部 技術企画課 張 東河 様/中村 亮太 様(大阪・名古屋会場)
技術総括部 技術企画部情報システム課 佐野 亮介 様(東京会場)

川崎重工業ロボットビジネスセンター様は、産業用ロボットのリーディングカンパニーとして、様々な分野で国内外の産業発展に貢献されています。ロボットの様々な適用に対応すべく、多種類のロボット設計を行う現場では、設計業務を効率的に進めるためにCAD環境の整備が急務となっていました。名古屋と大阪講演では、設計分野が多岐にわたる自社の設計業務の見直しを行う過程で、「目的に応じた複数CADの運用」「PDMによるCADデータ管理」「CAD図面の電子承認」「CAD教育推進のスキルアップ」の4つの項目に問題点が潜んでいることに着目し、その改善に取り組まれた事例をお話しいただきました。自社管理システムの構築とその運用の詳細手順などに関して、見つかった問題点と改善結果とを交互に交えた分かり易い内容でご紹介いただきました。ロボット開発の多様化により適用設計の短納期化を実現するという業務効率化の事例となり、製品は異なっても類似の問題を抱えているお客様には大変参考となる内容となりました。東京講演では「マルチCAD形式に対応した図面・文書承認システムの活用」をテーマに従来の印刷出力された図面/文書を用いた処理に比べ、大幅な期間短縮/管理の効率化を実現された承認システム構築事例をお話しいただきました。講演では実際のシステム画面イメージを交えたご説明や「MICRO CADAM図面枠サイズ判定方法」などシステム化する際に工夫した点など多くの具体例をご紹介いただきました。同様の課題を抱えているお客様は多く、今後の自社内システム改善/業務効率化に向けた大変参考となる内容となりました。

KHI様:講演イメージ

事例紹介「MICRO CADAMを活用した旋盤加工用形状の自動作図システムの構築」

株式会社エクセディ生産技術本部 生産技術工場 CAD・CAM係 坂本 充様

~ MCカスタマイズによる自動作図事例

エクセディ様は世界24カ国で、自動車や2輪、産業・建設機械に欠かせない駆動部品を製造・販売しているグローバル企業です。
今回は『MICRO CADAMを活用した旋盤加工用形状の自動作図システムの構築』をテーマに、生産技術工場における金型製作の短納期化に対応した効率的なNCデータ作成の事例をご紹介いただきました。MICRO CADAMの図面データや3Dモデルの断面データを読み取り、CAM用図面を自動作成するツールをCAD’S社と共同で開発し、NCデータ作成効率を高めることに成功しました。自動作成の手法もさることながら、CAD’S社との共同プロジェクトである事にも、大いに注目をいただく内容となりました。

エクセディ様:講演イメージ

事例紹介「3次元設計はMICRO CADAMで強くする」

有限会社ノザワ・デザインプロダクツ 代表取締役 野沢 義隆様

野沢様はプラモデルメーカーで企画設計に従事後独立し、プラモデルや自動車部品等各種工業製品の設計事務所を経営されています。
92年にMICRO CADAMを導入し、99年以降は各種3D-CADも導入されているお客様です。 3D-CADを用いた3次元設計が不可欠な仕事を進める上でMICRO CADAMでしっかりと充分な構想設計を行う力をつける事が、3D-CADでモデリングする上で設計者の負担を減らし、間違いも減らす事に繋がる事を独自の視点と事例をもって解説していただきました。
2次元で立体をイメージした設計ができなければ3D-CADは使えない、という野沢様の講演は参加者の多くの方から共感の声をいただきました。

ノザワ・デザインプロダクツ様:講演イメージ

お客様の声

当日ご参加いただいたお客様にアンケートをご記入いただきました。誠にありがとうございました。ご記入いただいた感想の中から、一部を掲載いたしております。

  • 手書きの重要性、現場でも役に立つと思います。(設計業)
  • 手書き図面を基礎とするエンジニア育成に同感です。
  • データの一元管理は常に問題になりますが、それをうまく解決されているなぁと感心しました。
  • 実業務に即した貴重な発表事例で大変参考になりました。
  • 弊社と同じ業務フローを構築されており参考になった。
  • 文書管理システムの活用事例を知ることができて良かった。
  • 具体的な導入事例が聞けてとても興味深かった。
  • 2D思考は設計には必要だと同じ思いです。
  • 3D⇒2Dの作成手順の方が効率的であると思っていたが、発表を聞き考え方が変わった。
お客様の声:イメージ

出展パートナー企業

生産性向上を促進する各種アプリケーション、開発事例のご説明
アルゴジャパン・イーエス株式会社
設計データの”自動暗号化”で情報漏洩対策を!
株式会社ディアイスクエア

MICRO CADAM、MICRO CADAM Helix は、株式会社CAD SOLUTIONSの商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれ各社の商標である場合があります。

下記MICRO CADAMカスタマーセンターまでお問い合わせください。

 MICRO CADAMカスタマーセンター